■夏の日の想い出・新入生の夏(1)

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(C)Eriko Kawaguchi 2011-08-27
 
高校時代、親友の政子と組んで「ローズ+リリー」という「女子高生歌手デュオ」をしていた私は、1年半ほどの休止期間を経て、大学1年生の夏、今度は4人組のバンド「ローズクォーツ」のボーカルとして再デビューした。
 
再デビューの日は8月3日で、これは2年前に偶然のできごとからローズ+リリーというユニットが誕生した日であった。私達をプロデュースしてくれている須藤さんは「レコード会社とかと調整していたら偶然その日になった」とは言っていたが、須藤さんにとってもこの日は人生の転換点となる記念の日なのではなかろうかという気はしていた。
 
「ローズ+リリー」の活動は、週刊誌に私が実は男の子であったということがすっぱ抜かれたのをきっかけに活動休止してしまったのだが、須藤さんはその騒動の責任をとって会社を辞めた。しかし昨年の8月3日にブログを立ち上げて全国を車中泊で旅しながら有望なアーティストの発掘をしていることを報告しはじめたし、そのちょうど半年後の今年2月3日に、新しい事務所を設立して、本格的な音楽制作活動を始めていた。会社の資本金は100%須藤さんが出資していて、他の会社との資本的な関係は無かったものの、須藤さんがローズ+リリーをプロデュースしていた時に所属していた津田社長の△△社とは友好関係にあるようであった。
 
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ローズ+リリーをしていた頃は私は単純な女装だったのだが、その後1年ちょっとの月日は私を大きく変えていた。私はあらためて自分の性別について悩むようになり最終的に自分は女であると確信するようになった。高校生時代から下着は女物に変え、髪も伸ばし始めていたのだが、大学生になってから家を出てひとり暮らしするようになるとフルタイム女性の格好をするようになり、女性ホルモンを飲み始め、5月には豊胸手術、6月上旬には去勢手術まで受けてしまった。 
「とうとう明日、男の子ではなくなっちゃうのね。迷いとかは無い?まだ今なら間に合うよ」去勢手術(+外陰部の形成手術)を受ける病院の近くのホテルまで付いてきてくれた政子は、前日私にそう言った。
 
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「迷いが無いといったら嘘になるけど、手術は受けちゃう」
「ね、今日はタックしてないんでしょ。形が変わっちゃう前のあの辺、見せて」
「えー?なんで?」
「今まで何度か私見ちゃってるし、触ったこともあるし、いいでしょ?」
「うん。まあ、いいけど」
私は立ち上がるとスカートとショーツを脱いで、下半身を晒した。
「どうせだから上も脱がない?」
「いいよ」
私はブラウス、キャミソールを脱ぎ、ブラも外して全裸になる。
Dカップの乳房が顕わになった。
 
「上半身だけ見ると女の子なのに、下半身にはこんなの付けて・・・両性体なのね」
「今日まではね」
と私は笑って言った。
「写真撮っちゃおっと」
「ちょっとー」
「いいじゃん、私と冬の仲だし。間違っても流出させたりはしないよ」
と言って政子は私のヌードを携帯で数枚撮影した。
 
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「これ、立つの?」
と政子はそれに触りながら言った。
「立たないと思う。ローズ+リリーしていた頃から自分では全然いじってなかったのよね。最後に立った記憶も1年以上前。それに4月から女性ホルモン飲んでるから多分無理」「ふーん」
と言うと、政子はいきなりそれを口にくわえてしまった。
「え!?」
それは初めて味わう感触だった。なんか・・・気持ち良すぎる。これ。でも・・・立っていられない!
 
「ごめん。立ってられない感じ」
「じゃ、ベッドに寝ちゃおう」と政子は口を離して言う。
「うん」
私はそのままベッドに横になる。
政子はまた私のそれを口に咥え、優しく舌で舐めてくれた。
私は政子とこんなことしていいのだろうか?と思いながらもあまりの快感に思考停止してしまった。政子は私のを舐めながら、自分の服も脱いでしまい裸になってしまった。
「なんか・・・・・」
「大きくなっちゃったね」
と政子は口を離して笑いながら言った。
 
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「じゃ、今なら入るかな?」
「え?」
「私もかなり濡れちゃったよ」
「ちょっと。だめ、そんなことしちゃ。マーサ、バージンでしょ」
「だから、したいの」
政子はそう言うと、私の上に乗っかかり、私のそれを自分のあそこに入れてしまった。
「マーサ・・・・・」
「これ、私のわがまま」
そういうと政子は私の身体の上で腰を動かし始めた。
 
私の男性機能はもう最弱の状態だったし、そもそも行きにくい女性上位の体位だったし、ふたりとも初めての経験だったし、到達するまで凄い時間が掛かってしまったような気がする。でも、私達はその地点まで到達した。 
「えへへ。冬とひとつになれた」
「マーサ、私・・・・・」
「これで妊娠したら奇跡の子供なんだけどなあ」
「それは・・・・多分無理と思う」
「だよねー」
「マーサ・・・・私、明日手術しちゃっていい?」
「なぜ私に訊く?」
「だって・・・・・」
「冬は男の子に戻るつもり?」
「ううん。女の子になりたい」
「じゃ、手術しちゃっていいんじゃない?」
「うん。じゃ手術しちゃうね」
私は政子にとってもキスしたい気持ちになり、政子の顔を手で寄せると熱いキスをした。私と政子は半ば冗談のような感じでそれまでも何度かキスをしたことはあったけど、あのキスがいちぱん深いキスだった。
 
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「私達、ふつうに友達でいいの?」
私は政子に訊いた。
「友達のつもりだよ。今日のことはふたりだけの秘密にしとこ」
「うん」
「だって明日には冬は女の子になっちゃうしね。私レズの趣味は無いし」
「ふふ。。。ごめん少し眠くなった」
「寝てて。夕飯くらいの時刻になったら起こしてあげる」
私はそのまま夜8時くらいまで寝ていたのであった。
 
そうして翌日、私の股間は女性型になってしまった。まだ棒状の器官だけは残留していたし、ヴァギナも無かった。しかし棒状の器官は割れ目ちゃんの中に隠してしまうことができたので、そうしていれば完全に女の子の形に見えた。手術から5日後に包帯が取れると早速政子は私の新しい股間の形を確認した。まだ手術の傷跡がなまなましくて自分でも見たくない感じだったのに、政子が見せて見せてというので私は見せた。手術前にあんなことをしたので政子とは何も遠慮がいらない気がしていたこともあった。
 
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「わあ、すっかり女の子になっちゃったね」
「まだ、おちんちんは付いてるけどね」
「一緒に取っちゃえば良かったのに」
「この先生はその手術まではしないんだもん」
「このおちんちん立つのかなあ」
「さすがに不可能だと思う」
「そっかー。残念」
 
退院した私はちょっとだけ辛かったので、翌日・その翌日と政子の家で休ませてもらっていた。ちょうどそこに須藤さんから電話があり、私達は夕方、小料理屋さんの個室で須藤さんと会って、その場で私の再デビューが決まったのであった。 
再デビューが決まった私は、津田社長の事務所やレコード会社、作曲家の上島先生や編曲の下川先生などのところに挨拶回りをし、写真集の撮影などもして7月下旬に新ユニット「ローズクォーツ」のメンバーでレコーディングをした。そして8月3日にローズクォーツの最初のシングルがダウンロード開始になったのであった。
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