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■栄光に向かって走れ(1)

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レオンの両親はふたりともマラソン選手だった。父は一時的にマラソンのソビリア国・最高記録を持っていたことがあるらしい。母は優勝経験こそないものの、女子マラソンの黎明期に何度も上位入賞していたらしい。
 
レオンはそういう両親の元、小さい頃から走ることに興味を持ち、姉のユリアとともによくかけっこをして遊んでいた。ごく自然に国民学校でクラブ活動が始まる5年生の時から陸上部に入り、最初短距離走者としてたくさんの大会に入賞した。 
レオンが7年生の時、突然両親が警察に逮捕された。国家反逆罪と言われたが、両親は無実を訴えた。しかし裁判は最初からふたりの有罪を前提として進んだ感じで、両親は極寒のサムイナ地方にある収容所に送られてしまった。
 
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レオンは姉のユリアと励まし合いながらこの時期を過ごした。ふたりともスポーツ学校の寄宿舎に入れられる。この学校に入っていれば生活費は国から支給されるので、ふたりは経済的な不安からは解放された。しかし結局両親とは面会もできなかった。
 
レオンは心機一転を図って長距離に転向した。そして8年生の時、ハーフマラソンの大会で優勝して国の強化選手に選ばれた。
 
この時期、レオンは出る大会出る大会に優勝していたが、優勝する度に彼は孤独を感じ始めていた。
 
両親とは全く連絡がつかない。姉とは男女別の宿舎にいることもありなかなか面会できない。平日は面会禁止で日曜しか会えないのだが、日曜はたいてい、どこかの大会に出ていたり、あるいは練習があるのである。
 
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彼は自分の才能についても悩んでいた。このままでいいんだろうか?天才だとかすばらしい才能だとかもてはやされて自分は自惚れていないだろうか。そして自分と競い合えるようなライバルがほしい。
 
そんなことを思っていたレオンは10年生になったある日、ジュニア大会で訪れたニコーツク地方でハーフマラソンを走った時、沿道をずっと自分に付いて併走する少年を見た。レオンはこの競技で優勝したのだが、彼が20kmのロードを走ってゴールのある競技場に入っていく時、少年はほんの200-300m後ろを走っていたのである。彼は自分がゴールした後、後続の選手が次々と競技場に戻ってくる中、少年を探して、競技場の外に出た。
 
「ねえ、君」
「あ、レオン・イワノヴィッチさん」
「僕を知ってるの?」
「カルラの大会で見た時格好いいなと思って」
「君、陸上部に入ってないの?」
「僕の家、貧乏なんで、スパイクとかも買えないから」
「そんなの国に出させればいいんだよ!」
 
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レオンが陸上競技連盟に掛け合って、この少年ミハイルを陸上奨学生に推薦。彼は首都のオミグラードに出てきてレオンと同じスポーツ学校に入り、陸上選手としての訓練を受け始めた。
 
彼はすぐに頭角を現し始めた。1年後にはハーフマラソン大会で1位がレオン、3位がミハイルだった。その更に1年後、オリンピックの強化選手を決める大会でもふたりとも入賞し、20代の選手たちに混じって合宿所で訓練を受けた。レオンとミハイルは2つ違いではあるが、良きライバルとしてこの時期たくさんいろんなことを話した。そして半年にわたる訓練の後、オリンピック代表選考を兼ねた大会に出場する。
 
一応「優勝者はオリンピック代表に自動的に決定」ということにはなっているものの、代表選考レースはこの大会のみであり、従来この大会の1〜3位がオリンピック代表に選ばれていた。
 
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レオンはミハイルに「ふたりで一緒にオリンピックに行こう」と約束した。 

レースは男女のレースが同時にスタートする。男子では序盤からベテランのイワンがハイペースで飛ばしたものの、中堅のニコライは慎重に抑えたペースで走る。そしてレオンとミハイルはそのニコライに付いていく展開で進んだ。 
35kmすぎ。突然イワンのペースが落ちる。この35kmという距離は人間が体内からそのままエネルギー源を取り出すことのできる燃料(グリコーゲン)を使い切ってしまう距離なのである。ここから先を走るにはそもそもグリコーゲンを温存する走り方をするとともに、燃えにくい燃料である脂肪を強引に燃やすことが必要になる。しかしイワンは今日はハイペースで走っていた。ハイペースで走るとグリコーゲンの方が優先して燃やされやすい。
 
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ニコライを先頭にする第二集団はペースの落ちたイワンを捉え、やがて37km地点で抜き去った。そしてその後の5kmは3人の順位争いが展開される。自然とペースが上がっていくが、誰も譲らない。3人はほとんどそのまま固まった状態で競技場に入ってきた。
 
そしてあと200mというところで若いミハイルが強烈なスパートを掛け、残りの2人は置いてきぼりになる。レオンは必死にニコライと争うが、最後の30mでニコライの最後のスパートに後れを取り、3位でゴールした。
 
1位ミハイル、2位ニコライ、3位レオン、4位イワン。
 
という結果であった。しかしこれでレオンはミハイルと一緒にオリンピックに行けると思った。姉のユリアも女子の部で優勝していた。
 
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数日後、レオンはスポーツ省に呼び出された。言われた会議室に入るとスポーツ大臣がいるので驚く。
 
「男子のオリンピック代表が決まった」
と大臣は言った。
 
レオンは違和感を持った。そういう話は陸上競技連盟の幹部が言えば済む話だ。なぜスポーツ大臣が出てくるのだろう。
 
「1人は選考会の優勝者ミハイル・ペトロヴィッチ」
 
それは大会の実施要項で定められていたはずである。
 
「そして一人はこれまでの数々の実績を考慮してイワン・アレクセイヴィッチ」
 
レオンは耳を疑った。
 
「しかし彼は4位ですよ」
「確かにこの大会は4位だ。だがこの選考会は真冬に行われた。オリンピックは夏に行われる。イワンは昨年夏の世界選手権で今回のミハイルを上回るタイムを出している」
 
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「そんな・・・」
 
「そして3人目の代表は選考会2位のニコライ・セミニョヴィッチ」
 
レオンは目の前が真っ暗になった。選考会で3位に入ったのに自分は代表落ち?そんな馬鹿なことがあるか!
 

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「君もオリンピックに行きたい?」
「行きたいです。そもそも私は選考会で3位までに入りました。オリンピックに行く権利があるはずです」
 
「この選考会で保証しているのは、優勝者が代表になるということだけだ」
 
「ひどいです。。。。私。。。。ミハイルとも姉とも一緒にオリンピックに行こうと言っていたのに。。。」
 
「ああ、君のお姉さんのユリア・イワノヴナは女子の代表に決定したよ」
「ありがとうございます。私はどうしても行けないんですか?」
 
「どうしても行きたいかね?」
「はい」
 
「では君には女子の代表として参加してもらおう」
「は?」
 
「女子の選考も揉めたんだよ。選考会1位のユリアは問題ない。2位のアンナも昨年夏の国民運動大会で好記録を出している。しかし3位のエレナはオリンピック標準記録をクリアできなかった。つまりIOCの基準ではアウトなのだよ。一時はもう引退しているオリガを出そうかという話もあったのだけどね」
 
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「それで私に女子の方に出ろというのですか? でも私は男ですけど」
「うん。だから女子になってもらいたい」
「へ?」
 
「病院の方はもう準備ができている。今から君には女子になる手術を受けてもらう」
「えーーー!?」
 

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体格の良い憲兵が2人入って来て、がしっとレオンの体を掴まえた。そして部屋の外に連行する。
 
「大臣閣下、ちょっと待ってください」
「オリンピックに行きたくないの?」
「それは行きたいですけど」
「うん。だったら女子になってね」
「嘘〜〜〜!?」
 
レオンは叫んだものの、憲兵はふたりともボクシングでもやっていたかという感じでものすごく腕の力が強い。スポーツマンとはいっても足を集中的に鍛えている陸上選手のレオンには全く抵抗できなかった。
 
彼はそのまま建物の外に駐めてある救急車に連れ込まれる。そして担架に身体をしばりつけられた。
 
俺どうなるんだ〜〜〜!??
 

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やがて救急車は大きな病院に到着する。レオンは担架に身体を縛られたまま憲兵によって病院内に運び込まれた。そのまま手術室に入れられる。手術台に移される。この時抵抗を試みたが無駄だった。
 
あらためて手足を手錠でベッドに留めらる。身体もしっかりと縛り付けられている。 
緑色の手術着を着た医師3人と看護婦数人が入って来た。
 
「では麻酔を打ちます」
と言って医師が注射を打ったら下半身の感覚が無くなってしまった。看護婦があらあらしくペニスをつかんではさみで毛をおおざっぱに切ると、そのあとカミソリで残った毛をきれいに剃ってしまう。散らばった毛を掃除機で吸い込むが、その時、ペニスまで吸い込まれそうになって看護婦が慌てていた。 
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「私、どんな手術をされるんですか?」
レオンは頭の中がまだ混乱の極致の状態で尋ねた。
 
「男性を女性に変える手術ですよ。あなたそれが必要なのでしょう?」
「あ、えーっと、必要なのかなあ」
「いいですよ。手術の直前になると不安を訴える患者さんは多いですが、手術が終わればみんな喜びますから」
「喜ぶんですか・・・」
「男性には労働の義務、兵役の義務、納税の義務という三大義務がありますが女性はそういう義務がありません。生活資金があるなら働かなくてもいいし兵役にも行かなくていい。納税の税率も男性の半分です。基本的には夫を支えて家庭を守るだけでいいですから、女の方がずっとこの世の中暮らしやすいのですよ。兵役から逃れるために女性になる人もいますし、高収入の実業家が納税を軽減するために男を辞めるケースも多いですね」
 
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「確かに兵役はいやだけど」
 
レオンは現在18歳だ。20歳になれば3年間の兵役に行く必要がある。でも自分は戦争で人を殺すのはいやだと思っていた。確かに女になってしまえば兵役に行かなくても済む。
 
「私も18歳で大学に入った年に女にしてもらったんですよ」
「え?先生って女なんですか?」
「ええ。医学生は女になっちゃう人よくいますよ。勉強を兵役で中断したくないから。だから医学部って入学の時は男9女1くらいだけど、卒業の時は男8女2くらいになっているんですよ。練習台として先輩に手術してもらえば費用もタダですしね」
「そうだったのか」
 
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