【夢物語】教室

前頁次頁目次

1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 
 
白い建物があったので私は入っていった。廊下があって教室がある。学校のようだが、生徒は見あたらない。そうだ、私はここの生徒だったんだ、と思い出した。自分の教室は2階の2−7だ。私はその教室に入ってかばんから教科書・ノートを取り出し、机の中に入れた。
 
朝早いせいだろうか。誰も来ていない。手持ちぶさたに教室の後ろに並んでいるロッカーの中の自分の班に割り当てられている所を開けた。中に思いがけなくセーラー服がかかっていた。私はむしょうに着てみたくなった。
 
少しドキドキしながら身につける。スカートがちょっと頼りない感じで、とてもいい感じだ。心臓は速い鼓動を打っている。それで自分の机の前に座ってみる。スカートで椅子に座るのは、ズボンとは違う感触で、自分が女の子になったという感じをものすごく強く感じられる。
 
突然ドアが開いてクラスメートの女の子が入ってきた。「お早う!」と声を掛けられたので、ちよっとドキドキしながらも「お早う」と返す。何か言われるかと思ったのに何も言われない。気付かれてない?と不思議に思う。
 
そのうち教室はたくさんの級友たちで一杯になった。その時私ははじめて気付いた。生徒がみんな女の子であることを。そうだ。私の学校は女子高だったんだ。生徒は全員女の子に決まっている。だから私も女の子でよかったんだ。
 
(2001.3.3)
 
前頁次頁目次

1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 
【夢物語】教室