【危険な同居】(1)

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(c)2002.04.02 Eriko Kawaguchi
 
ボクが学資に困っていると言っていたら同じゼミの院生の木下先輩が、うちのアパートに同居しないかと言ってきた。家賃とか別にいらないし、ゼミ関係の資料も沢山置いてるぜ、というのでどちらかというと、あとの方がありがたいので、ボクは今の下宿を引き払うことにした。また木下先輩って、美男子のせいか、女の子たちがよく周りにいる。男のボクから見ても颯爽とした感じで素敵な人だなと常々思っていたから、その憧れの先輩の傍にいられるというのが、何だか嬉しい気がした。
 
木下先輩の所で落ち着いてから3日目の夜だった。その日は一緒にコンパに出てボクたちは少し酔っていた。ボクが布団で寝ていると先輩がボクを後ろから抱いてきた。ボクは「どうしたんですか?」と聞いたが先輩は答えない。そのうち、カチャカチャとボクのズボンのベルトを外して脱がせてしまう。「ちょっとしたお遊び。な、いいだろ」ボクは何をされるのかよく分からなかったけど、酔っていたし、されるのに任せておいた。すると先輩は自分もズボンを脱いだらしく、やがてボクのおしりの付近になま暖かい感触を感じた。え?「緊張しないで、楽な気持ちで」何のこと?ボクはさっぱり分からなかったけど、酔いで抵抗する力もないので、それを静かに受け入れた。その付近にものすごい圧迫感を感じる。こんなの初めて。ボク何をされてるんだっけ。酔いで頭が働かない。でも先輩のが入ってくる時に何か気持ちいいような気もする。
 
先輩は「ごめん。お前があんまり可愛いから、つい気持ちが抑えられなかった」
と言う。「なんか、よく分からなかったけど別にいいですよ」とボクが答えると「じゃ、時々してもいい?」と聞く。ボクは同居させてもらっている恩もあるしそのくらい構わないかなという気がして「この程度でいいなら」と答えた。先輩は何だか嬉しそうだった。
 
先輩はボクの服のセンスがなってないと言った。確かにボクのってお母さんがバーゲンで買ってくれたものばかりで、自分でも必ずしも好きな服装ではないけど、だってお金が無いんだもん。すると先輩は「こんなの着てみろよ」と時々ボクに服を買ってくれるようになった。派手な色使いの服、襟が大きく開いていて肩胛骨まで見えるような服、ひらひらのレースが付いてるような服。何だか、こんなの着るのって恥ずかしい。でも先輩はこんなのをボクに着せたいらしい。折角買ってくれたものだし、とボクはありがたくもらって着始めた。
 
下着も文句を付けられた。ボクの下着って5枚1000円のブリーフ、300円のシャツ。先輩はスベスベした感触の下着を買ってきてくれた。シルク製だって。すごい。そんなの初めて。「先輩、これ、おちんちん出す穴が無いです」「無くてもいいんだよ。上からひょいと出せば、ちゃんとできるぜ」「そんなものなんですか」シャツも変わったデザインで、胸の付近から下にしか布がなく、その上は細いヒモで肩にかけるようになっていた。大胆なデザインだ。よく分からないけど、そういうのが最近はやってるんだって。
 
先輩は「時々」と言っていたけど実際にはほとんど毎晩、ボクのあそこにあれを入れてきた。入れられるときは感じないのだけど、翌朝くらいに最初のうちはおしりがものすごく痛くて大変だった。でもそのうち慣れてきて平気になっていた。普通上半身は服を付けたままだけど裸にされることもあった。その時は乳首もいじられた。ある晩先輩が、裸にしたボクの乳首をいじりながら言った。「お前、痩せてるな。もう少し肉付けないの?」確かにボクは痩せてる。でもボクはいくら食べても太らない体質なんだ。
 
それを言うと先輩は数日後「これ良かったら飲んでみろよ。少し肉が付くと思うぜ」と言って薬を渡してくれた。横文字で薬の名前が書いてある。プレマリンと読むんだろうか。「ありがとうございます」「お前この薬のこと知ってるだろ」
「え?飲んだことないです」「ふーん、飲んだことはない、か。でも知ってはいるんだ。常識だもんな」え?これって有名な薬?ボクは知らないというの、いけないような気がして「はい、少し太れる薬でしょ」と言ってしまった。ボクがその場でその薬を飲むと、先輩は「へえー。やはりその気あるんだな」
とつぶやき、「それ医学部の奴にもらったんだよ。まだもらってくるから、毎日食後に飲むといい」と言われた。先輩って、親切だな。なんだか先輩のことを好きになってしまいそうな気がした。あれ?男の子同士で好きになってもいいんだろうか。よく分からないなぁ。
 
ある日先輩はこんなことを言い出した。「お前スカートとか履かないの?」
「え?だってスカートって女の子が履くものなんじゃ」というと「最近は、男でもファッションとして履くんだぞ」という。そういえば、最近テレビでよく見るシャスナとか、シャツナとか、何だかそんな名前のロックグループのボーカルの人がスカート履いてたっけ。ボクてっきり女の人と思っていたのに友達から「何言ってるの、こいつ男だぜ」と言われてびっくりした。へえー、そんなものなのかなぁと思っていると先輩はさっそくスカートを何着か買ってきてくれた。ちょっと恥ずかしい気がしたけど履いてみた。「うん、良く似合う。いつもそれでいろよ」と言った。
 
最初は家の中だけで履いていたのだけど、先輩が「馬鹿。外でも履かなきゃ」
と言ってゼミに行く時もそのままの格好で連れ出された。ゼミの人たちも、男の子たちは一瞬だけ変な視線で見てから黙ったけど、女の子たちは「似合ってるよ。可愛い」なんて言ってくれたのでボクも安心した。指導教官はボクがスカート履いていても全然そんなことに興味は無いようだった。
 
「へえー、木下さん所に一緒に住んでるの」そのことはそういえば誰にも言ってなかった。「きゃー、同棲!」と一人の女の子が言う。「え?男同士でも同棲っていうの?」「だって?男と女じゃない」と一人の女の子が言ったが、別の女の子が指を口の前で横にチッチッと振って「同居でいいのよ、多分。この場合は」と言った。でもそれって、ボクが女の子という意味かな?別にボク女装している訳じゃないのに。
 
すると別の女の子が話題を変えるように言った。「でも山田クン、お化粧はしないの?」「え?でもボク男なのに」しかし女の子たちによれば、最近は男の子でもお化粧する子いるんだって。ボクがよく分からないというと、何人かで寄ってたかって、ボクはお化粧をさせられた。鏡の中を見ると、何だかすごくきれい。ボクはこんなのならしてもいいなと思った。女の子たちにそう言うと「じゃ一緒にお化粧品買いに行こう」と連れ出された。
 
スーパーに行って化粧品コーナーに行く前にトイレに行こうとして、いつものように男子トイレに入ろうとしたら、女の子たちから「山田くんはこっち」
と女子トイレに引き込まれた。「トイレのマーク見てごらんよ。スカート履いてるシルエットはこっちでしょ。山田くんスカート履いてお化粧している時は、こっちに入ろうね」と一人が言う。あれ?それでいいんだっけ。でも女子トイレって面白い。小便器がなくてボックスだけが並んでるし(女の子は立っておしっこしないもんな)、でも手洗いの所が男子トイレよりきれいになってるし、たくさんある。椅子も置いてあってそこでお化粧している女の人もいた。
 
化粧品売り場で、ボクは化粧水・乳液・ファンデーション・アイシャドウ、マスカラ、アイブロー、アイライナー、ビューラー、チーク、リップカラー、グロス、クレンジング、洗顔フォーム、マニキュア、リムーバーと買うことになった。全部で2万円ちかく。持ってたから良かったけど、お化粧品ってこんなに高いんだ!!とびっくりした。女の子たちによると、その店はかなり安い方らしい。ボクはやり方がよく分からないと言うとゼミの度に少しずつ女の子たちが教えてくれることになった。ボクのお化粧は木下先輩にも好評だった。「可愛いくなったな」となんだかすごく嬉しそうだった。
半年ほどしたころ、ボクはすこし戸惑っていた。確かに最近からだに肉が付いてきて丸みを帯びてきたのだけど、なんだか特に特定の場所に集中してお肉が付いている。木下先輩はボクの胸の付近を触りながら、結構付いてきたな、と言った。ボクが最近階段を上り下りする時に、この付近の肉が揺れて痛いんです、と言うと先輩は「ブラジャー付けるといいのに」と言った。「えー、そんなの女の子が付けるものなのでは」と言うと、先輩は男でも胸が大きい人は時々いるからブラジャーは付けるんだと言う「ほら、お相撲さん、見て見ろよ。そこらへんの女より胸あるぜ。あれだけあると、ブラジャー無しではきついよな」ボクはブラジャーなんて買ったことないからよく分からないので、先輩に一緒に付いてきてもらってブラジャーを買いに出かけた。女の人の下着を売っている店。キャー恥ずかしい。男の人でブラジャー買う人少ないから、女の人用の店で買わないといけないんだって。
 
ボクたちが店に入っていくと店員さんが寄ってきた。「いらっしゃいませ。どんなのお探しですか」「どうせなら、可愛いのがいいな」と先輩が言う。
「そうですね。彼女、わりと童顔でいらっしゃるから、ギンガムのとか、メルヘンチックなのがお似合いですよね」と言われた。彼女?え、それもしかしてボクのこと?あ、ボク女の子に間違えられちゃったかな。でも男でブラジャー買うと思われるより、そっちの誤解のほうがましかなぁ....
 
店員さんがメジャーでボクの胸の付近を測る。ちょっと恥ずかしい。
「あら、今ノーブラなのね。70Bでいいわよ」と店員さんが言った。そしていくつか選ぶと「試着してみましょう」と言った。試着?ボクは試着室に入るが「済みません。付け方がよく分からなくて」と言う。すると店員さんが入ってきて手伝ってくれた「あなた、あまり普段付けてないのね。ブラジャーの跡が全然付いてないもの。でもこのくらい胸あったら付けてないと垂れ下がるわよ」と言われた。そして「うん、サイズもピッタリだし、よく似合ってるよわ」と言ってくれた。鏡の中でボクの胸の肉がブラジャーの中に収められている。なんだか本当に女の子みたい。ボクはまた真っ赤になってしまった。「じゃ、どれにする?」と聞かれるので、ボクは付けさせてもらった3つを全部買うことにした。
 
家に帰ってからボクは最近感じているもうひとつの違和感についても先輩に相談した。「最近そのおちんちんがあまり立たないんです。それから睾丸もなんだか縮んだような気がして」すると先輩はボクの服を脱がせて、その付近を触った。「そういえば小さくなってる気がするな。ちょっと病院で見てもらおう」と先輩はどこかに電話を掛けていた。そして予約を取ったらしく、それから車に乗せてボクを連れだした。
 
先生は若い女の人だった。女の人にあの付近を診察されるなんて恥ずかしい、とおもったけど仕方ない。先生はボクのおちんちんを色々といじっていた。以前ならこんなことされたら立ってしまってたのだけど、それが来ない。ボクは更に何だかよく分からない検査を1時間くらいかけてされた。色々注射も打たれ、採血もされた。そして先生はカルテを見ながら言った。
「睾丸の方は完全に機能を消失しているようですね。このまま放置するとよくありません。取った方がいいです」え?え?「取るんですか?」
「そう。このまま付けておいても、この睾丸は既に精子も生産していないし男性ホルモンも分泌していない。あっても仕方ないですよ」と言う。えー?
「放置していると最悪ガン化する恐れもあります。さ、取りましょう」
ボクは先生の勢いに負けて思わず「はい」と答えてしまった。
 
手術は部分麻酔で、30分くらいだったろうか。手術台なんてのに寝せられるのは初めて。麻酔を打たれるのも初めての経験だった。木下先輩が手術の終わったボクの手をしっかり握りしめてくれたので、少し気持ちが落ち着いた。
 
でも家に帰ると、また涙がこみげてきた。ボクは先輩に抱きついて泣いた。
「先輩、もうボク男の子じゃなくなっちゃった。だって睾丸がないんだもん」
「タマなんて別になくてもいいんだよ。実は俺もタマ無いんだぜ」え?それは知らなかった。先輩も無いんだ。でも先輩、すごく男らしいし。こんなの関係無いのかな。
 
「それか、お前いっそのこと女になるか?」と先輩は言った。え?「でもそんなことできるの?」「男を女にする手術はそんなに難しいもんじゃないんだよ」手術?そんな手術があるんだ。知らなかった。「おまえだったら可愛い女の子になれると思うけどな」へえー、女の子になる。そんなのもいいかも知れない。ボクはそういう気がした。睾丸ないと男として結婚できないだろうし。あれ?でも先輩も無いんだっけ。でも先輩くらい男らしかったら、それでも構わないって言う女の子いるかも知れないな、と思ったときボクは突然なんだか不安な気持ちになった。女の子?
 
先輩に彼女ができたら、ボクはどうなるのかな。やっぱりこのアパート出ないといけないだろうな。奨学金は食費と半免してもらっている授業料だけで手一杯だし。バイトしている人もあるけど、ボクはその時間が惜しかった。授業のない日も丸一日専門書を読んでいないと、ゼミの準備をしっかりしておくことができない。
 
女の子?そうだ。先輩はボクに「いっそ女の子になる?」なんて言ってた。ボクが女の子になったら、先輩ボクを彼女にしてくれないだろうか。それならいいな。ボクは何だかそんな気がしてきた。考えてみると最近のボクってどこにいっても女の子と間違われる。スカート履いててお化粧してるせいかな。胸もブラジャーしてるし。トイレもいつも女子トイレ使ってるし。総合的に見ると、ひょっとしたら既にボクってかなり女の子の領域に足を踏み入れているのかも知れない。
 
女の子か。女の子になる手術ってどんなのなんだろう。やっぱりちんちんは取っちゃうんだろうな。まぁ、いいよね。どうせボクもう男の子じゃないし。女の子のあの付近って見たことないけど、多分割れ目があって、その中におしっこ出てくる所とか膣とかあって.......何だか楽しそう!!割れ目の中からおしっこするって、どんな感じなんだろう。してみたい。ちんちんなんかなくたっていいや。そういえば子供の頃何かでお母さんに「ちんちん切っちゃうよ」と言われたことあったっけ。切られるのか。痛いかな、と思いつつボクがちんちん出したら、そこにハサミ当てられたけど、その先の記憶が残ってない。でも病院で手術で切られるんなら、麻酔掛けてもらえるだろうからいいよね。あ、そういえばボクお人形遊びが好きだったのに、お父さんが「男がこんなもので遊ぶな」って怒って取り上げられちゃって、泣いたこともあったっけ。あの時は女の子に生まれたかったって思ったんだった。でも生まれ直さなくても女の子になるという道があるって素敵だ。どうせなら、小学生頃に女の子になれていたら、中学・高校はセーラー服だったのかな。きゃー、セーラー服。今まで忘れてたけど中学の時に同じクラスの女の子に「着てみない?」と言われて着せられて、似合ってるよなんて言われて。あれずっと着てたいと思ったっけ。でも今から女の子になっても22歳じゃセーラー服は着れないな。残念。ボクは頭の中で想像と回想とが交錯していた。
4年生が終わる。ボクは大学院への進学の手続きだけは取ったけど学資というより生活費の面で不安があった。でも、それよりもその頃、それ以上にボクは先輩のことが好きになり始めていた。それまでその感情は男同士なんだからと自分で抑えていたのかも知れない。でも自分が女の子になってもいいかなと思った瞬間、自分は女として先輩が好きだ、という感情があふれ出してきて、自分でもどうにもならない感じになりつつあった。そして、とうとうある日、ボクは思い切って先輩に言ってしまった。
 
「先輩、ボクが女の子になったら、ボクを先輩の彼女にしてくれませんか」
先輩はびっくりしていたようだったが、あまりにもあっけなく「いいよ」
と言った。それはボクも拍子抜けした。
 
先輩はボクを車に乗せて高速に乗り、関西のある病院まで連れて行ってくれた。先生から診察を受け色々と検査をされた。手術は2ヶ月後にしてもらえることになった。その日、ボクは一人で大丈夫と先輩に言って新幹線で出かけた。ボクはドキドキしていた。とうとう女の子になれる。嬉しい。全身麻酔。深い眠りから覚めた時ボクはベッドの上にいた。お股の付近にパイプが出ていたり、何か点滴のようなものが刺さっていたりする。先生からは一週間入院してもらうと言われていた。その間、御飯も食べられないんだって。お腹が空きそうだなぁと思ったけど、仕方ない。
 
5日目に包帯を取ってその付近を見せてもらった。あ、何だかきれい!ちんちんが無くなって代わりに割れ目ができている。先生がいろいろ説明してくれたけど、女の子になった自分の形を見てドキドキしていて説明は半分しか耳に残ってない。こんなにきれいな形になるなんて、手術受けて良かった!!
 
割れ目の奥には穴があって、そこが縮んでしまわないように、白いシリコンでできたスティックを最初の半年くらいはずっと入れておかなければいけないと言われた。そのあとは少し間隔をあけてもいいんだって。だけど、このスティックってまるでおちんちんみたい!! このスティックの代りにここに先輩のおちんちんも受け入れてあげられるのかな、と思うとボクはそれを入れる度にワクワクする思いだった。でも、ここを使ったセックスは半年は待てと先生から言われていた。
 
手術が終わって1月くらいたった頃にボクはお母さんに、女の子になっちゃったことを告白した。お母さんはびっくりした様子で、でも会いに来てくれた。ちょっとショック受けてたみたいだったけど「お前は小さいころから優しい性格だったし、女の子とばかり遊んでいたし。この方が良かったんだろうね」と言って許してくれた。ただしばらくお父さんには会わないほうがいいと言われた。ボクもお父さんに許してもらえるとは思ってなかった。
 
ボクは4年生を卒業して大学院生になった。あの手術からちょうど半年たった夏の日、ボクは先輩に「彼女にしてください」と言った。先輩は一流のホテルを予約し、そこでお食事をしてワインで乾杯して、お部屋に入った。ワインは先輩が「三三九度」なんていって、同じグラスで3杯ずつ3回飲んだ。わーん、こんなに飲んだら酔っちゃいそう!!
 
お部屋に入るとすぐ先輩にキスされた。こんなの初めて。頭がクラクラする感じ。これは多分酔ってるせいじゃないみたい。ボクはベッドに押し倒され、優しく服を脱がされていく。完全に裸にされると、先輩がボクを熱い視線で見ているのを感じた。視線で犯されるってこんな感じ?
 
「長かった」
 
先輩がそんなことを言って自分も服を脱ぎ始めた。そういえばボクっていまだに先輩の裸を見たこと無い。だっていつも後ろからされていたから。
 
「長かったて何ですか?」「お前が女の子になってくれるまで」と先輩は言う。何のこと?
 
「お前って俺の理想のタイプだったのに、悔しいことにチンチン付いてたんだ。だから女の子だったらいいのにと思って。それに胸が痩せてるって言ったら、少し大きくしてもいいみたいなこと言って、それで女性ホルモン持ってきたら、その薬知ってると言って飲んでくれたから、やはり女の子になりたい気あったんだと嬉しくなって」ボクは先輩の言っていることがよく分からなかったけど、先輩に最初から好かれていたのかな、という気がした。だったら、ボクこうやって女の子になって良かったんだなと思った。
 
先輩が服を脱ぐ。先輩って体つきがっしりしてるし、どんな裸なのかな。ボクはワクワクしてその様子を見ていた。シャツを脱いだ時、ボクはびっくりした。「薫さんも胸大きいんですね」「うん」
 
先輩はブラジャーこそしてなかったけど、女の人みたいに胸があった。ボクよりは小さいから、ブラジャー無しでも良かったのだろうか。
 
ズボンを脱ぐ。先輩も前の穴の無いパンツ履いてるんだ。ボクたちは一緒に暮らしていても洗濯物はそれぞれ自分で洗ってたから気付かなかった。あの中に先輩のおちんちんが隠れているんだ。いつもボクのうしろに入ってきていた物。
 
先輩がパンツを脱いだ。あれ?毛の中に隠れているのかな?先輩はそのままボクの上にかぶさってきた。顔中にキスされながら、ボクは手で先輩のお股の付近を探した。サービスにおちんちんをもんであげようと思ったのだ。「あれ、薫さんのおちんちんどこ?」「そんなもの無いよ」無い?「だって俺、女だよ」え?
 
女!?木下先輩が!??その時突然、初めてゼミにスカート履いていった時に、先輩と一緒に住んでいることを女の子たちから「同棲?」と言われたことを思い出した。あれって、あれって、あれって、あれって、あれって!!........ボクが女の子扱いという意味じゃなくて、木下先輩が女だったから!?みんな木下先輩が女って知ってたの??というか、ひょっとして知らなかったのボクだけ???
 
でもボクは頭の中が混乱したまま。「だって、薫さん、いつも私に入れてたのに」
「いつも、指入れてたじゃないか」えーー!??あれって指?????「だって中で出されてる感覚だってあったよ!?本当に濡れてたこともあったし」「女だって出るんだよ。俗に潮吹きって言って男の精液と同じ物だよ。知らなかった?」
そんなの知らないよぉ!!学校の性教育じゃ教わらなかったよ!!!!
 
「な、結婚してくれるだろ。俺たち戸籍上はお前男で、俺女だから、ちゃんと籍は入れられるんだぜ」ボクは頭の中が混乱したまま、先輩のフィンガーテクニックで何度も何度も気持ちよくさせられ、その夜の時間を過ごしていった。そして気持ちよくなる度に、だんだん、どっちが女でどっちが男なんて、どうでもいいことのように思えてきた。ボクは木下先輩が好きだし、木下先輩もボクのこと愛してくれているみたい。だから、これでいいんだ。
 
「ねぇ、薫。ウェディングドレスはどっちが着るの?」ボクはすごく女の子気分になって、ちょっと甘えたような色っぽい口調で、先輩に尋ねた。
 
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