【新しい性活・女の子になる男の子たち】(1)
(C) Eriko Kawaguchi 2022.01.10
その日、マイクが学校に出て行くと、クラスメイトたちから言われた。
「どうしてスカート穿いてるの?」
「ちんちん無くなって男子トイレ使えなくなったから、スカート穿いていきなさいと言われた」
とマイクは恥ずかしそうに言う。
「ちんちん無くなっちゃったんだ?」
「うん。クリスマスの朝、起きてトイレに行ってみたら立っておしっこできないからびっくりした。クリスマス・プレゼントで、クリトリス作ってあげたよとお母ちゃんから言われた」
「ああ。クリスマスプレゼントでクリトリス作ってもらう人わりと多いよね」
「クリスも去年のクリスマスにクリトリス作ったし」
「クリトリスはペニスの10倍気持ちいいというよね」
とみんなが言っていると
「うん。10倍かどうかは分からないけど、物凄く気持ちいい。私、クリトリスに変えてもらってから、毎日オナニーするようになっちゃった」
などと当のクリスは言っている。
「みんなも早くクリトリスにするといいよ」
とクリスは言う。
「クリスは性別も女の子に変更したもんね」
「私は睾丸も一緒に取ってもらったから、市役所で去勢証明書を出して名前をクリストファーからクリスに変更したんだよ。性別は3ヶ月後に、役所の指定する病院であらためて性別検査を受けて女と認定された」
基本的には女性ホルモン濃度が高く、男性ホルモンが低いこと、そして目視でペニスが無いことを確認し、MRIで体内のどこにも睾丸が無いことが確認されたら、本人の「女性として認定して欲しい」という上申書を持って女性として認定される。ペニスと睾丸が無いことが条件なので、膣や子宮の有無は問わない。でも多くの子はペニスをクリトリスに改造する時に、最低でも膣は作ってもらう。マイクも実は膣が作られている。3ヶ月待つのは、ホルモン濃度の変化を待つためである。
「マイクはクリトリスに変えてから、おしっこした?」
「したけど、おしっこが凄い後の方から出てくるからびっくりした」
「あれって、本来膀胱のある位置から、かなり長いホースで前の方に導いているからね。だから、ちんちんのある子のおしっこの出方が不自然なんだよ。身体から直接真下に落ちていくのが本来のおしっこの出方」
「あ、そうそう、真下に落ちていく感じなんだよ。でも睾丸の入っている袋が濡れるから拭くのが大変で」
「睾丸は取ってもらわなかったんだ?」
「うん」
「クリトリスに変えたのに、睾丸が付いてたら邪魔だよね」
「だから、ちんちんをクリトリスに改造する時は睾丸も一緒に取る人が多いよ」
「マイクも取ってもらえばよかったのに」
「お正月までに、そのまま付けておくか、取るか決めろと言われてる。睾丸取ったら、卵巣と子宮も移植すると言われた」
「取ってもらった方がいいと思う」
「賛成、賛成。それでマイクも女の子になりなよ」
「女の子になったら、名前もマイカに変えようと言われてるんだよね」
「マイカちゃんって可愛いと思うよ」
「じゃ当面は、男の子のまま女子トイレ使うの?」
「ちんちん無いので、男子トイレ使えないし。女子トイレを使わせて下さい」
「ちんちんの無い男の子が男女どちらのトイレを使うべきかは議論あるけどねー」
「マイクの場合は、おとなしい性格だし、認めてあげるよ」
「ありがとう。助かる」
「私たちと一緒にトイレ行こうね」
「うん」
その日、ロビンが学校に出て行くと、クラスメイトたちから言われた。
「どうしてスカート穿いてるの?」
「ぼくスカート検査受けたら合格して、スカート着用許可証もらったから今日からはスカートで通学することにした」
「スカート検査受けたんだ!」
「お父さんが、お前はスカートの方が似合うって言うから」
と本人が言うと
「うん、ロビンちゃん、スカートよく似合ってる」
とクラスメイトたちも言う。
ロビンは「スカート着用許可証」をみんなに見せてくれた。
《上記の者は、スカートを着用して日常生活を送るのにふさわしいと認めます》と書かれている。
「前からロビンはスカート穿けばいいのにと思ってた」
と多くの子たちから言われる。
「でもちょっと恥ずかしい」
「すぐ慣れるよ」
「トイレ一緒に行こうね」
と女子たちから言われる。
スカート着用許可証を持っている子は女子トイレの使用が認められるし、特にスカートを穿いている最中は男子トイレの使用が禁止される。
「でも男物の下着全部捨てられちゃった」
「そりゃスカート穿く子は女物の下着を着けるから、男物の下着は、もう要らないもんね」
「でもまだ、女の子パンティとか恥ずかしくて」
「すぐ慣れるって」
「スカート穿いてるのに、ブリーフとか穿いてたら変だよね〜」
「ブラシャーつけるのもだいぶ練習した」
「ああ、そろそろ女の子はブラジャーが必要だし」
「ジュニアブラを取り敢えず3枚買ってもらった」
「まだ胸の膨らみは無いだろうから、当面はジュニアブラだろうね」
「今も着けてるけど、変な感じ」
「それもすぐ慣れるよ」
「でも1年後が思いやられる」
とロビンは言っている。
「ああ、スカート着用評価があるのね」
「大丈夫だよ。みんな、スカート似合ってましたと回答してあげるよ」
スカート着用許可証をもらった子は、1年後に周囲の人たちに聞き取り調査が行われ、スカートを穿いて生活していて違和感が無かったか、トラブルは無かったか(特に性犯罪は起こさなかったか)などが確認される。
「評価良好になったら、どうするの?」
「評価3以上だったら、ちんちん取って女の子になりなさいとお父さんからは言われてる」
評価5以上は、本人が拒否しない限り、即性転換手術を受けることになる。評価3以上は、本人が希望すれば性転換手術を受けることができる。いづれも手術が終わったら、法的な性別は女に変更される。
「ロビンは評価7か8は出ると思うよ」
「即性転換コース間違い無い」
「やはりそうなるのかなあ」
「ロビンなら可愛い女の子になれると思うよ」
「でも、ちんちん取っちゃうなんて、気が重い」
「別に、ちんちん無くてもいいんでしょ?取っちゃえばいいよ」
「そうだよ。それで女の子になれるんだから、ちんちんくらい無くてもいいじゃん」
でもロビンとしては、まだ悩んでいるようであった。
その日、シャノンが学校に出て行くと、クラスメイトたちから言われた。
「どうしてスカート穿いてるの?」
「いやあ、うっかり間違っちゃって」
と本人は照れながら言っている。
「昨日10歳の誕生日だったから、性別登録をしに行ったんだよ」
「うん」
「それで、俺は男を選択するつもりだったから、性別登録機に入って、Mのボタンを押すつもりが、うっかり間違って、Fのボタンを押しちゃって」
「はぁ!?」
「だって、この性別でいいですか?って確認されるのに」
「いやぁ、よく見ずにOKのボタン押しちゃったのよね〜」
「そんな人、聞いたことない」
「そしたら『あなたは女性として登録されました。でも医学的には女性ではないようなので、今から女性になる手術を受けてもらいます』と言われて、その場でベッドに寝かせられて、麻酔掛けられて手術されちゃった」
「うーん・・・」
「俺、嫌だぁ!女になりたくない!助けてぇ!とか叫んだけど、機械は自動的に動いて、意識を回復したら、もう女の身体になってた。お股を見た時はかなりショックだった」
「まあショックかもね」
「でも女になってしまったから、仕方ないから、女物の下着を着けて、スカート穿いて出て来た。みんなよろしくね」
「あんた女子トイレ使うの?」
「使わせて。俺もう女だし」
「あまり認めたくないなあ」
「だって男子トイレ使えないし」
「どう思う?」
と言って、女子たち数人が話し合っていた。
その日、ぼくは朝起きてからトイレに行き、座っておしっこをしたら、いつもと出方が違うのでびっくりした。
物凄く後の方から、まっすぐ下に落ちていく感じである。
なぜ〜?
と思って、よく見るとちんちんが無くなっていて、代わりにお股には、割れ目ちゃんができている。
嘘!?なんでこうなってんの?
取り敢えずおしっこが当たって濡れた付近をトイレットペーパーで拭きパンツを穿こうとして、そのパンツがいつものと違うことに気付く。
これ何だか女の子用のパンツみたい。どうしてこんなの穿いてるの?
取り敢えず、パンツを上げ、ズボンも上げてトイレを出た。
「お母さん、ぼくどうしたんだろう?ちんちんが無くなって、女の子みたいなお股になってる。そしてパンツもいつの間にか女の子用のパンツみたいなの穿いてる」
すると母は言った。
「ああ、あんたは女の子にしたから。名前もタカシあらためタカコにしたから。これ学校の先生に提出してね」
と言われて、性別変更届けという紙を渡された。
5年3組 サトウ・タカシ
私は性別を変更しましたので、届け出ます。
旧性別:男
新性別:女
旧氏名:サトウ・タカシ
新氏名:サトウ・タカコ
変更理由:性転換手術を受けたため
「ぼく・・・性転換手術を受けたの?」
「そうだよ。夜中に寝ている内に病院に運び込んで、手術してもらった。手術1時間くらいだったかな。簡単な手術だし」
「ぼく女の子になんかなりたくないよー」
「もう女の子になっちゃったんだから諦めなさい」
「そんなあ」
「だいたい、あんたは男の子より女の子向きの性格だよ」
「そうかなあ」
「それにうちも家計がたいへんでさ。税金もあがるし。でも女の子のスカート、ショーツ、キャミソール、ブラジャーは役場から女児のいる家庭に配布される“女児衣服クーポン”で買えるし、女の子はバスや電車も無料で乗れるし。兄弟3人の内、1人くらいは女の子になってもらった方が助かるのよ。それでお父ちゃんと話し合ったんだけど、3人の中ではあんたがいちばん女の子的な性格だから、あんたに女の子になってもらった」
「そういう話なら、手術前に言ってよぉ」
「手術前に言えば、あんた嫌だと言うだろうし」
タカコも実際、女の子の身体になってしまっていては、文句を言っても仕方ないので、その日から女児として登校することにした。
女の子下着を着けて、スカートを穿いて学校に出て行く。
バスに乗って、降りる時に料金払おうとしたら
「女の子は無料だよ」
と言われて、あっそうか、と思った。
教室に入ると、女子たちから声を掛けられた。
「サトウ君、スカートなんか穿いてどうしたの?」
「それが昨夜性転換手術されて女の子になっちゃったんだよ。ぼく別にそんな手術受けたいとも言ってなかったのに」
とぼくは言った。
「へー。勝手に性転換されたんだ」
「わりとわく聞く話だよね」
そんなに、よく聞く話なのか?
「2組の木村君も朝起きたら女の子になってたからびっくりしたと言ってた」
あ、それぼくと同じパターンだ。
「サプライズ・プレゼントというので、このパターンはやってるらしいよ」
プレゼントならいいけど、ぼくの場合、経済事情で性転換させられちゃったけど。
「うちの従兄弟は小学5年生・3年生・1年生の兄弟でトーキョーに旅行に行って、ホテルに泊まってて、朝起きたら、3人とも女の子になってたって。だから三兄弟から三姉妹に華麗なる変身。3人ともびっくりしたらしいけど、女の子になっちゃったものは仕方ないから諦めたって。男3人だった頃はよく喧嘩してたけど、女3人になってからは仲良くしてるらしいよ」
うん。女の子になっちゃったものは確かにしかたない。今更男には戻れないし。
「性転換のツアーがあるんだよ。結構人気だよ」
「小学生は性転換手術は無料だから、手術するなら小学生のうちだよねー」
そんなによく無断性転換ってあるのか。
「でもサトウ君は女の子になればいいのにとみんな言ってたよ」
と女子たちから言われる。
そうなの?
「名前はどうするの?」
「タカコにすると言われた。これ性別変更届け。先生に提出しなきゃ」
と行って、届けをみんなに見せた。
「じゃタカコちゃん、トイレとか一緒に行こうよ」
「うん。ひとりでは不安だと思ってた。よろしく」
「タカコちゃん、可愛いから女の子になったら、男子たちにもてるよ」
「そうかなあ」
「男子たちの中にも『サトウが女なら恋人にしたい』と言ってた子、何人かいたよ」
「ほんと?」
女の子たちからおだてられて、ぼくも、女の子として暮らすのもまあいいかなあと思った。
その日、小学2年生の、ゲンタは、姉ハナエと一緒に乾いた洗濯物を仕分けしていた。
「はい、お姉ちゃんのパンツ」
と言って、姉に可愛いイチゴ模様のショーツを渡した。
「ありがとう」
と言って、ハナエは受け取る。
「お姉ちゃんが穿いてる穴の空いてないパンツ、可愛くていいなあ」
「ゲンタは、ちんちんついてるからこれは穿けないね」
「ちんちん付いてたら、穿けないの?」
「そうだよ。ちんちん付いてる子は、これみたいにちんちんを出す穴があるパンツを穿かないといけないんだよ。はい、これゲンタの」
と言って、姉はゲンタのブリーフを渡す。
「ありがとう」
と言って受け取る。
「そういえば、お姉ちゃんのパンツは穴が空いてないんだね」
「そうだよ。ちんちんの無い子はこういうパンツ穿くの」
と言って、姉はゲンタに自分のパンツをよくよく見せてくれた。
「ゲンタも、ちんちん切ってもらえばこういうパンツ穿けるようになるよ」
「ちんちん切るのか・・・」
「ゲンタ、ちんちん切っちゃう?」
「お姉ちゃんもちんちん切ったの?」
「そうだよ。小学一年生の時に切ってもらったよ」
「ちんちん切るの、痛かった?」
「麻酔掛けて切るから痛くないよ。あんたも切ってもらいなよ。ちんちんあったらスカートも穿けないしね」
「あ、スカートもいいなあと思った。お母さんにスカート買ってと言ったけど、男の子はスカート穿いたらダメって言われた。ぼくスカート穿きたいのに」
「だったら、ちんちん切って女の子にならなくちゃね」
それで、ゲンタはお母さんに言った。
「お母さん。ぼく。ちんちん切って女の子になりたい」
「切ってもいいの?立っておしっこできなくなるよ」
「座ってすればいいんでしょ?」
「じゃ今日学校終わったら病院に行こうか」
「わーい、嬉しい。可愛いパンツも買ってね」
「いいよ。お姉ちゃんみたいに、イチゴのパンツとか、猫ちゃんのパンツとか買う?」
「うん。そういうの穿きたい」
「よしよし」
「スカートも買ってね」
「いいよ、これからはズボンじゃなくてスカートで学校行くことになるからね」
「うん。嬉しい」
「名前も変えなきゃね。ゲンタじゃ変だからユキコにしようか」
「あ、かわいいかも」
「じゃ病院で手術が終わったら、あんたはユキコだよ」
「うれしー」
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